進撃の巨人に登場する重要な登場人物の1人ライナー・ブラウンが実はとても有能であることについて考察していきたいと思います。
ライナー・ブラウン
ライナー・ブラウンとは主人公であるエレンと同期の104期訓練兵団の卒業生です。
恵まれた体格と高い身体能力を持っており卒業時の成績はミカサに次ぐ2位でした。
気さくで面倒身が良く責任感が強い性格のためか同期の間ではリーダー的存在であり仲間たちからは兄気分として慕われていました。
またどんな困難にも動じない体力を持ち合わせており巨人に囲まれた状態でも
もしくはこいつ(ブレード)を奴らのケツにぶち込む!!
弱点はこの2つのみ!!」
などと冗談を言えるほどの人物です。
兵士という立場にとても強い誇りを持っておりエレンに対しても兵士とはどうあるべきかを解いている場面も見られます。
故郷に帰るという強い目的意識を言動力としており同じくらい強い決意を持って兵士となったエレンには共感すら覚えるほどです。
また同郷であるベルトルトとは特に仲が良く行動を共にすることが多いですね。
同期のクリスタ・レンズには密かに好意を寄せているのか心の中で何度も
と呟いている場面が見られます。
そんなライナーの正体は845年にウォール・マリアの壁を破壊した九つの巨人の1つ
の継承者だったのです。
パラディ島の王家が持つとされる
を奪還する任務のためマーレ国から派遣された
の1人でもあります。
しかしライナーは104期の同期たちと生活を共にするうちに仲間意識を覚えてしまい任務のためとはいえ彼らを裏切る罪の意識に耐えることができなくなったライナーは
を生み出していたのです。
そして心の均衡を保つために度々「兵士」の人格に逃げ込んでいました。
マーレに帰還した後も無意識に自殺を図ることもあれば巨人に変身できない状態に陥ることもありました。
そんな兄貴的存在で強気の感のある一方、精神面で弱いところのあるライナーは
という声が多くあります。
ですが実は有能である場面がいくつもありました。
今回はいくつかの場面を選定してライナーがいかに有能なのかについて紹介していきたいと思います。
パラディ島への潜入作成
エルディア人の母とマーレ人の父の間に生まれたライナーは「名誉マーレ人」として認められるためにマーレの戦士を目指していました。
そして努力が功を奏して「戦士」として認められたライナーは「鎧の巨人」の継承者となり始祖の巨人を奪還する計画の主要メンバーに選ばれるのです。
ベルトルト、アニ、マルセルと共に壁内を目指すライナーたち一向でしたがその道中でマルセルが巨人に捕食されてしまったのです。
ライナーはリーダーであるマルセルを失い途方にくれていましたがなんとかベルトルトとアニを説得し壁内に侵入することに成功するのです。
逃げ延びたライナー以外の2人はリーダーであるマルセルを失ったことで作戦の続行は不可能だとし撤退しようとしますがライナーは
と強引に説得し作戦を続行したのです。
この時もし帰還していたとしたら
ということは3人の持つ
「超型巨人」
「女型の巨人」
が他の人に継承されるためそのことに気づかせてくれたらライナーはマルセルに変わってリーダーとなり2人を導いたと考えることができるので有能であると言えるのではないでしょうか。
ウォール・マリアの壁を破壊
壁内の王レイスが代々受け継いでいるとされている
の力を奪還し巨人の力を祖国に持ち替えることを目的とするライナーたちは鎧の巨人と超大型巨人の力を利用して攻撃を仕掛けますがその初めの攻撃がウォール・マリアの破壊です。
ライナーはウォール・マリアの壁を当たりで突撃し扉を破壊しました。
これにより人類の活動領域をウォール・ローゼまで後退させた功績は称賛に値するのではないでしょうか。
超大型巨人が破壊した1番外側の壁が破壊された時点ではそれほど深刻ではなかったでしょう。
しかし鎧の巨人がウォール・マリアを破壊したことは壁内の人類にとってとても大きな痛手となったでしょう。
座標の力を持つ「始祖の巨人」の力を手に入れるためにまずは外側の壁ウォール・マリアを破壊し座標の力を持つものの動きを調べる必要があったためそれを成したライナーの攻撃は大きな前進となったことでしょう。
マルコ捕獲
進撃の巨人に登場するマルコ・ボットは同じくエレンたちの同期です。
そばかすが特徴の長身で細みな少年で読者からの人気も絶大なものです。
マルコは「トロスト奪還作戦」によって命を落としています。
ジャンが遺体回収をしている際ににマルコを発見し、その姿は巨人に体の半分を喰いちぎられたような無残な死に方をしていました。
肌身離さず身につけているはずの立体起動装置も見当たりませんでした。
その死んだ理由とは一体なぜなのかそれは読者にとってとても残酷なものでした。
マルコはトロスト奪還作戦を遂行する時、偶然にもライナーとベルトルトの会話を聞いてしまったのです。
巨人について話し合いをしていたその内容があまりにも衝撃的だったためマルコは思わず2人に内容を尋ねました。
ライナーは
と伝えましたが表向きは納得したマルコは全く信用をしていませんでした。
マルコが躊躇しているうちにライナーはすぐさま動き出しマルコを捉えたのです。
そしてライナーはアニの立体起動装置を外させマルコはその後やってきた巨人になす術もなく捕食されてしまいました。
もしここでマルコが捕まっていなければどうなっていたでしょうか。
マルコは立体移動装置で移動している際にエレンが巨人化できたということは超大型巨人なども元は人間ではないのかという考えにたどり着いていたのです。
そうするとライナーの「俺の巨人」という言葉から察するにベルトルトとライナーはもしかしたら巨人なのではという考えがマルコの中に浮上したのでしょう。
同時にライナーもマルコがそのことに感づいていることを悟り捉えたのです。
ただでさえエレンの時でも大事になったのですから自分たちも捉えられてしまい本来の目的である始祖の巨人奪還任務を遂行できなくなってしまうためライナーの判断は彼ら側からすると正しい判断だったのでしょう。
それが「戦士」のライナーの判断であったとしてもです。
頼りになる兄貴分
作中で彼は104期訓練兵の同期のために頼りになる兄気分である姿を見せることが多々ありました。
例えば4巻18話では雨の中、山道で訓練中アルミンが人より体力がなくて遅れ山の中を歩いているとライナーがそんな彼を気遣い荷物を2人分持とうと声をかけたりしています。
また巨人に囲まれるという状況化においても全く取り乱さずに現状を冷静に分析し答えるだけの精神力を持っています。
3~4m級巨人七体同時殲滅作戦時には
とギャグをかますほどです。
これは初陣などの新米兵士に対して上官が冗談や軽口をくことで緊張を解きほぐしリラックスさせるというベテラン兵士のやり方です。
リーダーのように誰かを引っ張っていくのではなくみんなの兄気分として精神的にも戦力的にも支えていたことが窺えます。
女型の巨人戦闘
エレンたちが初めて壁外調査に乗り出した際、壁外で出会った
アルミンが女型の巨人から攻撃を受け馬から放り出された時近くにいたジャンが女型の巨人に向っていくのですが女型の強さには敵わずに立体起動装置のワイヤーを掴まれてしまいます。
ここで終わりかと思ったジャンでしたが直後アルミンが
と叫びます。
この時アルミンは女型の巨人がエレと同じ人間であることを察していたのでしょう。
逃げている途中女型の巨人の正体は人間だと言うアルミンに対して
とライナーは尋ねています。
自分たちの正体を知られたくないライナーは勘のいいアルミンが何を考えているのか気になったのでしょう。
調査兵団の分析が進んで警戒心を強められてしまうとライナーたちは自由に行動ができなくなってしまうからです。
奇行種であると思っていてくれた方が都合がいいのです。
しかしアルミンは女型の巨人はエレンを狙って行動しているというところまで見抜いていました。
女型の巨人が右翼側から現れたのは事前に右翼側だと聞かされていたライナーがアニに情報を伝えていたかからです。
しかし実際はエレンの本当の居場所は違ったのです。
ライナーはエレンの居場所を知るためにアルミンの考えを聞きエレンは中央後方にいるだろうという情報を手に入れます。
ライナーはこの情報をどう伝えるか悩みましたがジャンが交戦して時間を稼ごうと提案をしてくれたため機会を得ることができました。
そもそもこのまま女型がエレンを探し回って暴れてしまうと調査兵団は全滅してしまう可能性すらあるのですから時間稼ぎは全うな作戦だと言えるでしょう。
そしてライナーは女型の巨人に捕まるふりをして手のひらに刃でメッセージを残すことに成功したのです。
ある意味これはアルミンが有能すぎただけにも感じられますがライナーが手にメッセージ残すという発想は評価してもいいのではないでしょうか。
正体を明かす
作中42話では突然ライナーが鎧の巨人であることを明かしエレンに同行を求める場面があります。
しかしなぜあのタイミングだったのでしょうか。
実はこの場面ライナーとベルトルトの正体が怪しまれており地下深くに幽閉されようとしていた時でもあります。
もしここで切り出さなければハンジやアルミンの知恵比べに負けてあっさりと捕獲されていたことでしょう。
そういう意味ではあれ以上遅れるのはまずかったと言えるのではないでしょうか。
ウォール・マリア奪還作成からの成功
外門をエレンの硬質化の能力で塞いだ際にリヴァイは
ヤツらが健在なら何度塞いでもでも壁は破壊される
ライナーやベルトルトらすべての敵を殺し切るまで
ウォール・マリア奪還作戦は完了しない」
と言っています。
ライナーはこの時点でリヴァイたちにかなり警戒されていたためもし逃げるとなった場合は困難を極めるでしょう。
その後、壁の中を捜索しているとライナーが中に潜んでいました。
リヴァイが壁の上から襲いかかりライナーの首を切りました。
しかし完全に斬られていなかったライナーは巨人化し鎧の巨人へと変化したのです。
ライナーが巨人化したことにより獣の巨人が多くの無垢の巨人を引き連れながらやってきます。
ライナーの鎧の巨人はとても強く巨人で戦う経験値もライナーの方が多いため巨人同士の戦いでは不利ですがエレンはアニ仕込みの格闘術を駆使して対抗します。
エレンは1対1で戦うことをやめ壁の外まで引くことで調査兵団一丸となってライナーを迎え撃ちました。
ライナーの鎧の巨人を倒すべく新兵器の「雷槍」で攻撃が開始されます。
鎧の巨人が倒され継承者のライナーは人間の姿に戻ってしまいますが車力の巨人によってライナーは無事に救出されます。
まずリヴァイの初撃で死ななかったのは頭を吹き飛ばされる瞬間とっさに意識を全身の神経網に移したことにより巨人の脳を利用したことで死亡を免れることができたのです。
また巨人から引きずり出された後も瀕死の重賞ではありましたが同期たちがとどをためらったのも彼らとこれまで築いてきた日々があったからでしょう。
これらは全てライナーだったからこそなし得たのではないでしょうか。
ムカデからみんなを守る
王家の血をジークとの接触によりエレンは自らが持つ
の能力の全てを支配できるようになりました。
そしてエレンは世界を滅ぼすため壁の中にいる超大型巨人を目覚めさせ
を開始したのです。
「地鳴らし」阻止という共通の目的のためライナーたちマーレ陣営と調査兵団の生き残りは手を組むことになりました。
アルミンの活躍により「九つの巨人」の一部を味方につけることに成功します。
そしてジークが自分自身をリヴァイに殺させたことで「地鳴らし」は停止します。
その時にジャンがエレンの首を爆弾で吹き飛ばしました。
その瞬間エレンの脊髄から光るムカデのような生命体が出現しエレンの首を繋げようとするのです。
しかしライナーがそれを阻止するために光るムカデを抑え込みます。
さらにベルトルトから超大型巨人を受け継いだアルミンが変身した際に起こる爆発によりエレンの体は木っ端微塵に吹き飛ばされるのでした。
光るムカデを1番に抑え結果エレンの復活を阻止したライナーは称賛に値します。
彼が最初に動かなければアルミンの追撃も間に合わずエレンの首は繋がってしまっていたのではないでしょうか。
作者の溺愛
ライナーという登場人物はとにかく作者である諌山先生に愛されており1番のお気に入りの登場人物です。
モデルはなんと学生時代に尊敬していた先輩だというお話です。
ライナーが自殺未遂をする場面がありますが諌山先生は締め切りギリギリになりながらも汗だくパン一で一心不乱に描いた逸品でお気に入りの場面のためか現場にも飾っています。
自宅ではコマを引き延ばして壁に貼っているほどで、いかにライナーが作者に愛を受けているかが分かる素晴らしい逸話となっています。
104話では顎の巨人のピンチを巨人化したライナーが救出するというまるでヒーローのようなかっこいい登場場面がありますがライナーは「裏の主人公」とも言えるほどの好待遇でしたね。
もちろんこれまで悲惨な目に合ってきたのも周知の事実です。
作中で度々描かれるライナーの不遇や苦悩は作者による「愛情表現の1つ」なのでしょうか。
最後まで生き残る
最後まで生き残った、もちろん運もあるかも知れませんがそれでも最後まで生存したということは彼が有能である証の一つであると言えるでしょう。
エレンの「地鳴らし」を阻止し最後の戦いを終えるとライナーは巨人化の力が消え去りただの人間に戻ります。
そこでライナーはエレンが自分たちのために孤独に戦っていたエレンの記憶が再生されて涙を流します。
また人間に戻った母親と再会して自身が鎧の巨人という選ばれた存在ではなくなったことを告白します。
しかし母親は
と言ってライナーに重荷を背負わせたことを謝ってきます。
ライナーはこれまで母親のために頑張ってきました。
そのため予想外の言葉に戸惑いと何かから解放されたように感じたのでしょう。
その後ライナーはアルミンやジャンたちと共に壁内と世界との和平交渉を行うためにパラディ島に向かいます。
ライナーは世界を平和にするために仲間たちと進んでいくのでした。
まとめ
ライナーは両親に愛情をもらえなかったため周囲から認められたくて行動をしていました。
しかしマーレの司令であった壁の破壊命令が実はただの人殺しだと気づきその後は長い間罪の意識に悩まされてしまいます。
しかし一生懸命に行きながら自分の罪と向き合っていったライナーはエレンとの戦いで周囲のために戦うことで生きる意味を見出ししました。
さらには母親からの謝罪で重荷から解放されようやく前を向けるようになったのでしょう。
そうして物語の最後でようやく自分を取り戻したライナー。
恐らくこれから先はアルミンたちと共に今まで殺してしまった人たちへの贖罪を背負いながら世界を平和にするために行動をしていくのではないでしょうか。
もちろんこれは一つの考察に過ぎません。
もっと他にもライナーが優秀であった話がある!
逆に無能だったのでは?
などあると思った人はまた次回の記事でお会いしましょう。
今回は以上です。
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