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「S&P500」って何?内容について分かりやすく解説していきます。

2021年5月23日

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「S&P500」って何ですか?分かりやすく解説して下さい。

こんにちはユキトモです。

ここ数年で米国株式投資の認知度が高くなってきました。


・全銘柄で最も買われているファンド

・積立設定しているファンド

・非課税制度NISA

で最も買われているファンドはS&P500です。

圧倒的な人気ですね。

皆さんの中にもS&P500に投資している方が大勢いるかと思います。

 
そこで質問があります。

・「S&P500」って具体的になんでしょうか。

・「S&P500」に選ばれている会社の基準は?

・選ばれた会社が500社だけど「米国企業全体を購入するようなもの」と言われるのはなぜ?

あまりよくわかってないのではないでしょうか?

自分も最近、投資信託を開始したので上手に説明はできません。

 
ということで、説明できるように調べてまとめてみました。

S&P500に投資していない方はS&P500の魅力が分かるようになります。

自分が保有しているファンドと比較してみて下さい。

 
S&P500に投資している方はS&P500への理解がより深まるようになるでしょう。

日々の株価に振り回されずに腰の据えた長期投資が可能になります。

「S&P500」は世界的に見ても投資の王道的存在です。

S&P500の歴史

「S&P500」の「S&P」は

「Standard & Poor's」の頭文字です。

Standard(標準)、Poor's(貧しい)で「標準的な貧乏企業 500選」という意味ではありません。

「Poor's(プアー)」は実は人名です。

 

プアー氏について

フルネームはヘンリー・ヴァーナム・プアー

1821年アメリカ生まれ。

1838年に弁護士資格取得しました。

兄のジョン・プアーと弁護士事務所を開業します。

その後当時成長中だった製材業に投資してお金持ちになったそうです。

 
1849年に転機が来ます。

鉄道業界で有力者になっていた兄は雑誌の「American Railroal Journal」を買収します。

そしてヘンリー氏を編集者・経営者にしました。

その後、鉄道業界に特化した「会社四季報」みたいなものを作りました。

投資家のために全米中の鉄道会社の経営状況をまとめました。

 
プアーズ出版を設立

ヘンリー氏は息子とともにプアーズ出版を設立しこの本を毎年改訂し出版し続けます。

1905年にヘンリー氏が亡くなって、1941年に資金繰りに困ったプアーズ出版はスタンダード・スタティスティックスという会社と合併しました。

合併した新社名が「スタンダード&プアーズ」だったのですね。

 
合併あるあるですが資金繰りに困って助けてもらった側のプアーズが新社名の後にきて、強い方の企業名が先にきているのはいつの時代も同じですよね。

 
スタンダード社とは

1923年に「アメリカの優良企業233選」のような指数をすでに作っていました。

1941年にプアーズと合併後、その企業数は223から416に増加しました。

1957年に今の「500社」になりました。

ヘンリー氏没52年後にようやくS&P500が完成したことになります。

 
スタンダード&プアーズは

その後マグロウヒルという会社に買収されます。

今はS&Pグローバルという名前になっています。

この会社は「S&P500」を構成する優良企業です。

自分の考えた最強の500社に自分自身の会社が入っているというのは面白いですね。

 
以上が「S&P500」誕生の歴史です。

 

S&P500の特徴

ここから先は「投資に役に立つ」情報を解説していきます。

 
概要

・構成比トップは「GAFAM」
・時価総額加重型の指数
・採用基準
・主力はIT・ヘルスケア
・単位はポイント
・EPSが右肩上がり

step
1
構成比トップは「GAFAM」

「S&P500」の500社ってどんな会社が入っているのって思いますよね?

「S&P500」に含まれている銘柄トップ10は

Apple,Microsoft,Amazon,Facebook,Alphabet(Googleのことです),Tesla

などなど、現在とても影響力のある企業が含まれています。

出典:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の目論見書より

 

step
2
時価総額加重型の指数

500社に均等に投資する場合1社あたり0.2%になりますが、

1位のAppleは6.5%、2位のマイクロソフトが5.4%

上位10銘柄だけの合計は27.3%になります。

それは「S&P500」が時価総額加重型の指数だからこうなります。

時価総額が大きい会社(銘柄)にはたくさん投資する。

時価総額が小さい会社(銘柄)には少しだけ投資する。

時価総額は「株式×株価」で計算されるからばらつきがあるんですね。

要するに時価総額が大きい企業は株価が高く人気のある企業ということなんです。

人気のある大企業は「S&P500にも多く組み込む」ということなんですね。

 

step
3
採用基準

「人気があるだけで「S&P500」に選ばれるのか?という疑問が湧きますよね?

「S&P500」の採用基準は


1.米国企業である

2.時価総額が61億ドルを超える

3.浮動株比率が最低50%ある

4.直近の四半期が黒字決済、利益の合計がプラスである

5.ユニバース全体のセクター構成に等しくなる

一つ一つ見て行きましょう。

 
1.米国企業である

資産の所在地や売り上げが出ている地域、上場場所などから総合的に判断します。

 
2.時価総額が61億ドルを超える

日本円にして約6,600億円です。

時価総額6,600億円を超える企業は日本には約220社しかありません。

小規模な企業は組み込まれないんですね。

 
3.浮動株比率が最低50%ある

浮動株比率とは実際に株式市場で流通している株式の割合のことです。

わかりやすく例えると、

会社が発行している株式のうち、90%を創業者が所有していたら残り10%しか、他の人達が売買できないですよね。

みんなが取引できない株はお断りってことです。

 
4.直近の四半期が黒字決済、利益の合計がプラスである

財産の健全性という見方からの条件です。

キチンと利益を出している会社であること。

赤字企業は組み込まれません。

 
5.ユニバース全体のセクター構成に等しくなる

ユニバースとは「母集団」の事です。

セクターは「業種」です。

優良企業500社を選定するには分母があります。

例えば男10人、女10人の集団から優秀な生徒を2人選ぶ場合は

男1人、女1人を選ぶことになります。

「S&P500」はこういったルールで運営されています。

「母集団の男女比」と「選ばれた生徒の男女比」は一致します。

「S&P500」のユニバースは米国企業全体です。

その米国企業全体の「セクター割合」と同じになるように選抜されるので、「S&P500は米国全体を表している」と表現されることがあります。

「S&P500」の採用基準は「ある程度公開」されています。

ですが厳密にはそのすべてが明かされてはいません。

最終的には

「どんな銘柄を「S&P500」に新規に組み入れて」

「どんな銘柄をS&P500から外すか」は

「指数委員会」という機関が判断します。

 

step
4
主力はIT・ヘルスケア

採用基準を守った結果、今のS&P500の「セクター比率=業種比率」

こんな感じになっています。

業種 S&P500に占める割合
情報技術 27.4%
ヘルスケア 14.1%
一般消費財 11.6%
通信サービス 11.2%
金融 9.9%
資本財 8.4%
生活必需品 7.0%
公益事業 3.2%
素材 2.7%
不動産 2.6%
エネルギー 2.0%

今はまさにハイテク一強ですね。

これは「S&P500」の特徴ではなく、米国の産業全体の特徴を表しています。

 
このセクター比率は時代によって入れ替わります。

エネルギーセクターが目立つときもあれば、金融セクターが目立つときもあります。

「その時代を最も反映したもの」になります。

この「適者生存」「新陳代謝」がS&P500が最強の理由のひとつなのです。

 
結局何に投資しているのか?

という質問には、業種比率の変化を見ることでわかります。

各セクターを代表する企業として

  • 情報技術…アップル、マイクロソフト
  • ヘルスケア…ファイザー、メルク、ジョンソン&ジョンソン
  • 一般消費財…ディズニー、アマゾン
  • 金融…バンクオブアメリカ、JPモルガン

などがあります。

 

step
5
単位はポイント

S&P500の単位は意外と忘れがちです。

日経平均株価の単位は「円」です。

しかしS&P500の単位は「ポイント」です。

 
こんなニュースを見たことがないでしょうか?

S&P500、過去最高を更新。

4,000ポイント突破!

 
このポイントの仕組みは

1941~1943年のS&P500の構成銘柄株価の平均を「10ポイント」と決めました。

そこからどれくらい増減をしたかを「ポイント」で表すことにしました。

基準点がないと今の状況が分からないですよね。

 
1940年代に10ポイントだったS&P500指数は、2021年現在はこのようになっています。

約80年間に渡り右肩上がりを続けています。

4000ポイントオーバーです。

まさに実績と信頼のS&P500って感じです。

 

step
6
EPSが右肩上がり

EPSとは「1株あたりの利益」です。

最も重要な指数と言われています。

伝説の投資家ウォーレン・バフェット氏も重視しています。

これを見れば、企業の収益性=きちんと稼いでいるかが分かります。

 
S&P500のEPSの推移は

グラフ図

上がり下がりを繰り返しながら長期的には右肩上がりです。

 
右肩上がりになっている背景は右肩上がりのEPSがあるというわけです。

S&P500に含まれる企業が、利益をキチンと出し続けている。

だからキチンと株価が上がっていくという仕組みなのです。

 
S&P500に含まれている企業がキチンと利益を出し続けている」理由は新陳代謝があるからです。

利益を出せないダメ企業を抜いて、利益を出しているイケてる企業を組み入れている。

こういった工夫を日々行っているからです。

 
他国の指数は、新陳代謝がうまく機能せずに「ゾンビ企業が生き残り続けるからダメ」なんて言われます。

厳しい米国の世界では戦力外通告で消えていく会社は後を絶ちません。

残酷ですが、投資家にとっては有難いそんな世界です。

 

まとめ

S&P500のS&Pは「Standard & Poor's」の頭文字から来ている。

1941年にスタンダード・スタティスティックス社とヘンリー・ヴァーナム・プアー氏が作ったプアーズ出版社。

この2つが合併してできた会社。

今ではS&Pグローバルという会社名に変わっている。

S&P500は米国を代表する企業500選で、

1957年に誕生して以来、世界中で最も注目される株価指数の1つである。

・現在のトップ10にはGAFAMが含まれている

・500社に「均等」ではなく「時価加重」で投資

・採用基準

・米国企業であること
・時価総額61億ドル以上であること
・浮動株比率が50%
・健全な財務(黒字決済)
・ユニバース(母集団)のセクター比率と、S&P500のセクター比率はほぼ同じ
・これらを基本とし最中的には「指数委員会」で決定する。

・現在はIT&ヘルスケアが主力セクター
・単位は「ポイント」(右肩上がり)
・EPS(1株あたり利益)は右肩上がり

S&P500という株価指数は、アメリカの金融先進国において歴史の荒波に揉まれながら厳格に運用されてきた結果長期的に右肩上がりを記録し続けてきました。

短期で見ればマイナスの時期もありましたけど長期で見ればトータルで右肩上がりを期待できる。

それが米国市場の特徴です。

そして米国の「人口動態」や「企業文化」を見る限りこの傾向は今後も期待してもいいのではと思います。

S&P500という株価指数は過去100年、3年以上連続でマイナスになったことは3回しかありません。

数多くの戦争や経済危機を乗り越えて成業し続けてきた実績があります。

「半値まで暴落しても買い増しできる」そういった数少ない指数だと思います。

 
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「S&P500よりももう少し広い範囲に投資をしたい」方には

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この記事を読んで頂いたことで

「S&P500に投資してるってどういうこと?」と聞かれた時、少しでもうまく答えられる人が増えていたら幸いです。

みなさんで学んで良い投資をやっていけたらいいですね。

これからもしっかり学んで行動して、自由への道を歩んでいきましょう!

 
最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回は以上です。

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