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大食いは早死にする?江戸時代の小食主義『修身録』水野南北

2021年5月2日

食は運命を左右する

大食いはあまり良くない食べ方だと聞きました。どうしてなのかおしえて下さい。

 
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こういった質問にお答えします。

 

こんにちは、ユキトモです。

あなたは、食べ放題のバイキングでお腹いっぱいに食べた経験はないでしょうか?

私もあります。

 

元を取るために時間内にたくさん食べますよね。

でも、そのあとはどっと疲れていないでしょうか?

食べ過ぎると早死にします。

 

食べ過ぎると運も悪くなります。

なぜ、食べ過ぎると早死にするのでしょうか?

大食いは体に悪いのでしょうか?

 

食事と運は果たして関係があるのでしょうか?

今回は食事が運命や人生に大きな影響を与えることがかかれている

 

水野南北著の「食は運命を左右する」という本を解説していきます。

江戸時代に書かれたこの本はあらゆる小食を薦める本の元祖と言えるでしょう。

 

恐らくこの本を読むと怖くてもう大食いなどできなくなるでしょう。

結論

・少食にすると長生きする

・少食にすると集中力が上がり、精神的に充実する

・少食にすると運がよくなる

・肉や白米、お菓子、嗜好品を避ける

・腹八分目を心がける

・食欲がないのなら食べてはならない

・肉体労働者は少し多く食べても良い

・食事をコントロールできれば他の欲もコントロールできる

では一つ一つ見て行きましょう。

 

参考文献:「江戸時代の小食主義――水野南北『修身録』を読み解く」若井 朝彦著

参考文献:少食開運論: 江戸時代の奇才 水野南北の教えに学ぶ 「食を慎めば運が開ける」ロッキー山田著

水野南北は出世して、78歳まで生きた

まずはこの本と著書である「水野南北」氏について解説します。

江戸時代に実在した人物で、今から約200年以上前に人相を見て相手の運命を占う占い師のような仕事をしていました。

 

水野南北は幼少期に強盗をして牢屋に入れられ、その時に犯罪者の顔と一般人の顔に大きな違いがあることに気づきました。

どういった違いかと言うと犯罪者の顔がいかにも悪いかをしていました。

 

現在でも同じですよね。

犯罪者は確かに人相が悪い人が多いですよね。

 

そして、水野南北は牢屋を出たあと自分を占ってもらうことにしました。

すると「死相が出ているのであと一年は生きられない」と告げられてしまいます。

 

この言葉を聞いた水野南北は焦って死にたくない一心でお寺に行き出家を願い出ました。

お寺で修業をして良い行いをすれば何とか長生きできるかも知れないと考えました。

 

ですが、お寺の住職に

「1年間、麦と大豆のみで過ごすことができたら入門を許す」と言われて出家を断られてしまいます。

そして水野南北は言われた通りに1年間麦と大豆のみを食べて過ごすことにしました。

 

1年後、前回と同じ占い師に見てもらうと1年前にあった死相が消えていました。

思い当たるのは「食事を麦と大豆にした」ことだけでした。

この経験から水野南北は食事と運命について調査を始めます。

 

まず水野南北は10年間運のいい人と悪い人、長生きな人と短い人、出世した人しなかった人などあらゆるケースを調べました。

 

そしてある時、死体を切り開いて内臓を確認していると運の悪い人、早死にした人の胃腸の色つやが悪いことがわかりました。

 

そして一つの結論にたどり着きました。

「食が運命を左右する」ということです。

実際に水野南北は小食になり、出世して健康なまま78歳まで生きました。

 

江戸時代の平均寿命は32~44歳ですので約2倍も長生きしたことになります。

次は水野南北が気づいたことを一つ一つ解説していきます。

 

Step1 一生に食べられる量は決まっている

水野南北は「人が一生に食べられる食事の量に限界がある」と考えました。

例えば、

ある人は一生に食べられる量が3万食、ある人は4万食というように決まっていると考えました。

 

ですが、大食いの人は小食の人よりも一生で食べられる量を早く食べきってしまうことで病気にかかりやがて食事が取れなくなって早死にするというわけです。

確かに、大きな病気にかかると何も食べることが出来なくなってしまいますよね。

逆に小食の人は大食いの人と比べて一生で決められた食事量の限界に達するまでに時間がかかることでしょう。

 

だから長生きできるというわけです。

また、食べ物というのは天からの恵みであり、食事を多く食べるという行為は天からの恵みである食べ物を余計に取ることになります。

それは毎日、天に借りを作っているのと同じでその借りが大きくなると天が命を奪いに来ると考えました。

 

しかし、現在は薬とかあるので延命とかもできると考えますよね。

ですが、水野南北は「命は食によって成り立つ、たとえどんないい薬を使ったとしても食事なしに命を保つことはできない。だから人にとって本当の薬とは食事なのだ。」と考えています。

要するに小食に勝る薬はないと言っています。

 

ここで言いたいのは大食いする人は早死にして小食は長生きするということです。

実際に食事の摂取カロリーを制限すると体力が増加して寿命が30%以上伸びることが実験の結果から明らかになっています。

水野南北が200年前以上にわかったことが最近になって科学的に証明されて来ています。

 

Step2 少食にすると集中力が上がり、精神的に充実する

あなたは、お腹がちょっと空いている状態が一番精神的に快適ではないでしょうか?

食事前は誰もがそう感じるはずです。

何故なら、その状態が人間にとって本来の良い形であるからです。

 

ですが、食べ物を食べ過ぎると不快な気分になってきますよね?

それは自ら火に飛び込む虫と変わりません。

食べ過ぎるとすごく体がダルくなりますよね。

 

実際に大食いは胃腸に負担をかけそしてそのために心が乱れます。

「人間は少し飢えている状態が最もいい状態」なんです。

女の子とのデートも創作活動もボクサーもちょっと飢えているくらいが一番、ちからを発揮できます。

 

お腹がパンパンのボクサーは戦えないですよね。

別の例を挙げると、

司会をしているタモリさんは毎日1日1食しか食べないそうです。

特に「27時間テレビ」の司会中は何も食べないことで有名です。

 

あまりに何も食べないので心配してそのことについて聞くと

 

「消化はものすごく体力を奪う」

 

「こういう時は絶対に何も食べない」と繰り返していたそうです。

 

食事を多く食べると消化に余計な負担がかかります。

 

内臓に血液が集まり、血糖値が上がってその間、頭に血が回らなくなります。

お昼ごはんを食べ過ぎた後に眠くなったりぼーっとするのは食べ過ぎが原因です。

 

頭が回らなければ司会もできないし、話したり文字を書くような知的な仕事をすることもできなくなるでしょう。

 

小食にするだけで集中力が上がり精神的にも充実してくるはずです。

 

Step3 少食にすると運がよくなる

運まで変わるのでしょうか?

例え、生まれながらにひどい人相、体が弱い人、不運な人でも小食を続けることが出来たら、幸福になり長生きすることができます。

しかし大食いとか酒飲みでも成功している人はいると思いませんか?

 

実際にいますよね。

ですが、水野南北が言うには暴飲暴食をする者はたとえ才能や運で成功したとしても決して長続きはしないと言っています。

 

なぜなら

沢山食べると身体と精神の調子を崩すからです。

その結果運が悪くなり早死にしてしまうというわけです。

 

考えてみて下さい。

太っている経営者とかあまりいませんよね?

 

Step4 白米と肉は食べてはいけない

水野南北がいた時代は街では誰もが白米を食べるのが当然でした。

しかし水野南北は白米やお餅などを食べずに一日におわんに3杯ほどの麦を食べて、お酒を一日に一合と決めていました。

無類の酒好きでしたが長生きをするために制限していたそうです。

 

白米が食べたいという気持ちにもなりましたが、精米することで栄養をそぎ落として白米にして食べることはとても悪いことだと考えていました。

また、肉食も避けていました。

肉を食べると心が濁って大きく出世することができないと考えていました。

 

また長生きすることもできずに幸せな老後を迎えることができないとこの本に記されています。

何でこんなにも肉を注意するのかと言うと肉を食べるとついつい食べ過ぎてしまうからです。

確かに焼き肉に行ったら白米をちゃわん3杯は食べますよね?

 

ただし、老人の場合は肉を少し食べることを勧めています。

 

Step5 食欲がないのなら食べてはならない

朝なんだか腹が減っていないなって感じる時ってないですか?

そんな時は食べるなと言っています。

いつもお腹に物が入っているから食べたくない状態なんですね。

 

そしてそんな時は味がしない場合が多いです。

お腹がとても減っている状態だと何を食べてもおいしいと感じますよね?

それが本来の食べ物の味です。

 

味があまりしなくなったり美味しくないなと感じる時は食べ過ぎている可能性が高いです。

そんな時は1日3食をもし食べているなら2食にするといいでしょう。

また2食なら1食にするといいでしょう。

 

実際にお腹が空いている時はお味噌汁と麦飯、野菜だけでもとても美味しく感じることができます。

では、もし食べている途中で満腹になったらどうすればいいのでしょうか?

それは、満腹になったら残りの食べ物は捨てるかもしくは貧しい人たちに与えることです。

 

もったいないからといってお腹の中に入れるくらいなら捨てるべきです。

お腹に食べ物が入るとまた消化しなければならなくなります。

そうすると体に負担がかかります。

 

それなら人に分けるか捨てておけば虫や動物が食べます。

今の時代では誰も食べずにそのまま廃棄されてしまうでしょう。

お腹がいっぱいなら迷わず残した方がいいです。

 

残すことは悪いことではありません。

残さない方が悪いことです。

それが水野南北の考え方です。

 

Step6 少食の量について

小食の量は人によって大きく変わります。

腹八分目の感じ方も人によって違いがあるでしょう。

特に体を使って仕事をしている人としていない人では食事の量も大きく変わると言っています。

 

激しい肉体労働の仕事をする時は食事の量を増やし、仕事が軽い人は食べる量を減らすべきです。

また体つきは体質、年齢によってもその量は違ってきます。

もちろん若い方が食事の量は増えるがそれでもお腹が八分目になったところで食事はやめるべきです。

 

Step7 食事をコントロールすれば人生は変わる

水野南北は特に食事にこだわりました。

何故なら小食にされしていればどんなことがあっても何とかなると考えていたからです。

外出し、散財し、欲に身を任せたとしても食事さえ慎んでいれば不運になったり病気にかかることもないと考えていました。

 

そして小食にされしていれば長生きもでき財産を築くことができると考えていました。

小食にするだけで悪いことを遠ざけることができると考えていたのです。

では、なぜそこまで食事に執着したのでしょうか?

 

食事の欲というのは一番強いからです。

食事のような強い欲求をコントロールすることができるような人は他の全ての物事に大してもコントロールすることができるというわけです。

大食いをする人は自分をコントロールできていません。

 

自分をコントロールする最高の方法が小食であると水野南北は言っています。

 

まとめ

・少食にすると長生きする

・少食にすると集中力が上がり、精神的に充実する

・少食にすると運がよくなる

・肉や白米、お菓子、嗜好品を避ける

・腹八分目を心がける

・食欲がないのなら食べてはならない

・肉体労働者は少し多く食べても良い

・食事をコントロールできれば他の欲もコントロールできる

この本が書かれたのは江戸時代です。

今とかなり食文化が異なっているはずです。

肉の質も悪かったでしょう。

 

美食だと考えていたもの労働環境も今とは大きく異なっていたはずです。

それを踏まえて一つの事例として挙げます。

あなたが小食になった方がいいとは思っていません。

 

無理におススメしているわけでもありません。

筆者もお肉は食べます。

たまにお菓子も食べます。

 

だから何をするのかは自分の頭で考えて決めて下さい。

 

ですが、これだけ小食のすごさを力説されると小食にしたくなりませんか?

一回やってみればいいのではないでしょうか?

特に、今の世の中は体に悪いものだらけですよね。

 

美味しいものを食べるために列を作りバイキングに並ぶ人たちを高いところから見下ろして見ることができるかも知れません。

食は運命を左右するというお話でした。

 

以上です。



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