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理想的な社会を作るにはどうする?「資本論」

資本論とは、この社会の構造

今回は、カール・マルクス先生の「資本論」についてわかりやすく解説します。

この本は、1867年に発売されて、日本で400万部が売れたベストセラーです。

この記事を読めば、資本主義であるこの社会の構造が分かるようになります。

あまりの現実に悲観することもあるかも知れません。

なので、この社会の現実を知りたくない人はこの記事を読むのを止めて下さい。

参考文献:マルクス 資本論 シリーズ世界の思想 (角川選書) 佐々木 隆治

 

Step1 資本主義の世の中では全て商品

1つ目は「資本主義の世の中では全て商品」であることです。

これはこの本の中でマルクス先生が言っている偉大な言葉です。

この世の中はありとあらゆるものが商品という考え方です。

商品というのは「お金で交換できるもの」です。

あなたが来ている服、食べ物、映画、アパート、駐車場、音楽、カウンセリング、医療、マッサージも全て誰かの売っている商品です。

あなたの身の回りのものは全て商品になっています。

資本主義ではお金さえあればほぼすべてのものが買えるということです。

そして自分のオリジナルの商品を持つものを資本家と言います。

社長ということですね。

 

あなたは商品を持っていないと思ってませんか?

この世の中が全て商品でできているのであれば、あなたの商品は何でしょうか?

あなたの何がお金と交換できるのでしょうか?

 

それは労働力です。

 

「自分の商品」を持っていない場合は「労働力」という商品を売ることになります。

一生懸命に働けと言うことです。

労働力とは立派な「商品」なんです。

仮にもしあなたが自分のオリジナルの商品を持つ資本家だったらどうなるのでしょう?

その場合はあなたは働かずに他人に働いてもらえばいいんです。

例えば、あなたが工場の社長で靴という商品を持っているとします。

その靴をたくさん作るためには朝から晩まで工場をフル稼働させなければなりません。

そのためには「労働力」という商品が必要になってきますよね?

そこで工場の社長はあなたの労働力という商品を1日8時間、土日は休みで月18万円という契約で買うわけです。

そして商品を大量生産します。

社長は働かなくても靴が売れたら大金が入ってくるというわけになります。

もちろん競争が激しいのでよりいい履き心地の靴を作成しなければ会社がつぶれるリスクもあります。

だからこの世の中は自分のオリジナル商品を持つ資本主義と労働力を売る労働者の2通りに別れています。

資本主義では、人の心も買うことができます。

SNSでお金をプレゼントすれば多くの人が集まってきますよね?

飲食店では従業員の気持ちとか関係なく丁寧な接客をさせられます。

つまりお金があれば人の心さえも買えると言えるでしょう。

 

Step2 給料の正体とは?

2つ目は「給料の正体」です。

あなたはなぜ、給料がもらえると思いますか?

一生懸命働いたから?時間を使ったから?

ちょっと違います。

給料が出るのはあなたの売る「労働力」という商品を「最大限に引き出す」ためです。

 

では、どうやったら労働者が元気よく健康的に気持ちよく働いてくれると思いますか?

美味しい食事をして睡眠をとって、友人と遊んで、家賃が払えるだけのお金があり、通勤のストレスがないといいなと思いますよね。

 

資本家もそのように考えました。

そこで労働者が御飯の食べることが出来て寝るためのベッドがあって遊んでストレスを解消できて家賃を払えるだけのお金を給料として支払うことにしました。

労働者から労働力を最大限に引き出すためです。

 

だから給料というものは「労働力」という商品を作るための「生産コスト」いわゆる経費なんです。

通勤手当が出るのも社宅があるのもあなたが元気に出社して働く為です。

 

それが給料の正体です。

 

あなたはこれでは労働者はまるで働くための奴隷と思ってませんか?

そう考えるのも理解できますが、考えてみて下さい、労働者は働いていれば餓死することはありません。

他社と厳しい競争をする必要もありません。

在庫が残って破産することもありません。

頭を使って商品を作り出す必要もありません。

言われたとおりに働いていれば生きて行けるので、労働者にとってもこれはメリットです。

今は働きたくても働けない人もいますよね?

この状態は労働力という商品を買ってもらえないという状態なんです。

もし労働力を買って貰えなかったら労働者は死ぬしかありません。

労働者にとって働く場所があるということは有難いことなんですね。

 

Step3 1%の富裕層の資産は、残りの99%の資産よりも多い

3つ目は「1%の富裕層の資産は、残りの99%の資産よりも多い」です。

資本家と労働者が一生懸命働いて履き心地のいい靴を作って販売していたのですが、ある日問題が起こりました。

それは社長が金持ちになりすぎて社員が貧乏になってしまいました。

貧富の差が大きくなりすぎた状態です。

「世界人口の1%にあたる富裕層の資産は残りの99%の人々の資産すべてよりも多い」です。

これが資本主義の問題点です。

そこで「資本家を倒す!」と考えました。

社長をやっつけるということです。

社長が得をしているんだったら社長のクビを切って国が会社を運営して社員みんなで平等に働けば平和な世の中になると考えました。

それが社会主義の考え方です。

 

Step4 資本主義は優秀である

4つ目は「資本主義は優秀である」です。

実際に資本家を全員クビにした国がありました。

かつてのソビエトがそうです。

今のロシアですね。

周りはこの「資本家を殺せ!」という考え方を尊重して資本主義から社会主義へ方向転換しました。

社会主義とは具体的に言うと

個人が資本を持つことを認めないということです。

工場の社長や会長をクビにして、工場を国が管理することにしました。

土地もマンションもアパート、駐車場も全部、国のものにしました。

会社は全て国が運営しているので、社員は全て公務員になります。

クビになることが無いし給料も同じになり、社員の間に上下関係が無くなりました。

一見、理想的な国になると思いませんか?

これが社会主義です。

これからは国がどんなものをどれだけ作るかを命令してそれに従って社員は商品を作り給料をもらうようになりました。

 

しかし、その社会主義はまったくうまくいかなかったんです。

社会主義では労働者がいくら一生懸命働いても給料は上がりません。

そのため真面目に働くのがバカバカしくなり働く意欲と生産性が著しく低下して経済が停滞するようになってしまいました。

今まで資本主義ではいろいろな会社が競争して良い商品を開発していました。

社会主義になって、大した戦略も知識技術もない国が工場を管理することで生産性も商品の品質も落ちました。

その結果、1932年に国の生産性が下がったことで飢餓で1千万人以上の人が亡くなりました。

そしてソビエトは1991年に崩壊しました。

理想どおりには行きませんでした。

社長をクビにして労働者を平等にすれば理想の社会になると思っていたけどそんなことはありませんでした。

という歴史があります。

その結果、今はほとんどの国が資本主義なんです。

 

Step5 あなたは商品を持つしかない。

5つ目は「あなたは商品を持つしかない」です。

では、私たちはこの資本主義の社会をどのように生きて行けばいいのでしょうか?

労働者だとお金持ちになれませんよね。

社会主義だと国は崩壊しますよね。

 

もしあなたがお金持ちになりたければ商品を持つしかありません。

繰り返しますが、「資本主義の世の中では全てが商品である」と言いました。

商品を持てば自分が時間を使って稼がなくても良くなりますよね。

家賃収入が60万入ってきたら働く無くてもいいのと同じです。

何故なら商品が自分の代わりに働いてくれるからです。

でもそんなこと今からあなたもできるのだろうか?と思ってませんか?

この本が出た時代は難しいかったと思います。

が、今はなれますよね。

 

動画やブログ、SNSなどです。

8才で年収を数十億を稼ぐYouTuberがいるのが今の世の中です。

いい商品を作ったらそれをSNSを使って紹介することも可能です。

 

インターネットが無かった時代には商品を誰にも大勢の人に気軽に紹介できませんでした。

しかも今はもし失敗しても生活保護があります。

世の中は昔よりだいぶ良くなってきています。

大変ですが、頑張って自分の商品を作ることを考えることです。

 

まとめ

ここまで読んでみて悲しい気持ちになったかもしれません。

でもあなたを悲しませるためにこの本を紹介したわけではありません。

皆さんににこの資本主義社会という現実を上手に乗り切ってほしいと思ったんです。

あなたの商品は何なんだろう?

その商品を持っていればあなたはもうしたくない仕事に時間を使わなくて良くなります。

これが資本主義です。

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